« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2016年7月

2016年7月30日 (土)

象潟の風景

江戸時代は、九十九島・八十八潟と呼ばれる景勝地。

「東の松島 西の象潟」と呼ばれ、松尾芭蕉の『奥の細道』(1689年)でも

『象潟や雨に西施がねぶの花』

と詠われている。

しかし文化元年(1804年)の象潟地震で海底が隆起し、陸地化した。現在はところどころに点在する島が田んぼの中に浮かんでいる。田植えの頃は田んぼの水もに映りこんで、九十九島の当時を彷彿とさせる景色だそうだ。

R0015447

R0015445

R0015446

秋田千秋公園の蓮

三か月間にわたる秋田公立美術大学での集中講義の最終回。

7月24日の千秋公園は蓮の花が咲き誇っていた。

7月31日は立原位貫さんの命日なので、彼を偲びながらぼんやりと眺めた。

R0015443_2

R0015392

R0015389


江の島から見る富士

江ノ島の脇にある腰越漁港から望む富士山。

北からの冷たい高気圧の勢力が強い頃で、暑いけれども空には秋のような筋状の雲がたなびいていた6月下旬のころ。

R0015292_2

京都町屋の風情

ひょんなことから京都の町屋にお住まいの方を訪ねることになった。

玄関先、裏庭などの植物が涼しげであった。

玄関を入るとすぐに棕櫚が出迎えてくれる。

R0015441_2

玄関先の座敷を上がると奥の方に小さな庭がしつらえてある。

R0015442

奥座敷の向こうには縁側に続く裏庭があって、明け放たれた障子がとても清々しい景色である。

R0015439

R0015440

さすがに真夏は冷房装置がないと、如何に庭から涼やかな風が入るといっても、昨今の暑さには耐えられない。

風を送る空調方式では障子やガラス戸を締め切ってしまうので、庭との一体感が途切れてしまい、折角の縁側も意味をなさなくなる。

開放したままで、室内が涼しく、庭との一体感が得られる空調にしたいものだ。

2016年7月 4日 (月)

和紙の里 五箇山

白川郷から車で富山県の南西の端にある五箇山に向かった。五箇山も白川郷とともにユネスコ世界遺産に登録された合掌造りの集落がある。

R0015285

R0015286

白川郷は大型バスを連ねて外国人観光客がやってくる観光地であるが、ここ五箇山はそれに比べるとひっそりとして静かなものである。

五箇山には原料の楮が豊富で、豊かな水があるため古くから和紙作りの盛んな里であった。

この地域の紙すき歌に

       雪にうもれて紙すく村は、

       野積四谷にオワラ五箇五谷

       五箇の五谷に野積の四谷

       一日紙すきゃオワラ千になる

野積谷と五箇山の地域のあちこちで紙が漉かれていた様子がわかる。「千になる」とは千両になるということらしい。

五箇山和紙の里では紙漉き体験ができるほか、漉いたばかりのいろんな種類の和紙、和紙を使った工芸品が販売されている。

この地域での和紙作りを束ねるのが五箇紙協同組合で、輸入の楮に頼ることなく、1町歩弱の桑畑を楮畑に変えて、今でも自前の楮を栽培し、和紙の原料としている。

そこで働く和田さんにいろいろと教えていただいた。

R0015284_2

« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2021年11月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

気になる1冊

  • ★井川 聡: 『超高層から茅葺へ』
    海鳥社 2012 日本設計の池田武邦さんがハウステンボスの設計にかけた情熱とその源泉について、ドキュメンタリー的に記されている。茅葺に興味があったので手に取ってみたが、ハウステンボスの設計思想とその実態について初めて知ることが多く、ぜひ一度行ってみたくなった。
  • ★ヨースタイン・ゴルデル著 猪苗代永徳訳: 『オレンジガール』
    命のバトンタッチの意味。
  • ★籔内佐斗司: 『壊れた仏像の声を聴く 文化財の保存と修復』
    一緒に仕事をする機会には恵まれませんが、いつも気になっている方が仏像と修理について書き下ろした本です。
  • ★バージニア・リー・バートン 著 まなべ まこと 監修 いしいももこ訳: 『せいめいのれきし』 改訂版
    恐竜研究の第一人者・真鍋真氏が監修した絵本。絵本と言ってもかなり高度な内容です。生命のバトンタッチを分かりやすく描いたもの。
  • ★日本博物館協会 (編集): 『博物館資料取扱いガイドブック-文化財、美術品等梱包・輸送の手引き-』
    美術品梱包輸送技能取得士認定試験の制度が始まって4年が経ちます。認定試験を受ける人のための教科書であるとともに、美術品の展示、輸送に携わる人々にもとても役立つ本です。
  • ★ケヴィン・ヘンクス著 多賀京子訳: 『マリーを守りながら』
    自分にも娘がいるが、少女のころの彼女の気持ちを理解、解りあえることは難しかった。父親と幼い娘の間の気持ちの揺らぎを描いた作品。
  • ★藤沢修平: 『三屋清左衛門残日記』
    60歳で定年後、特任研究員として再雇用された時、これから先の時間を如何に過ごすか想像できなかったとき、ご隠居という言葉を理解しようと思って読んだ本。
  • ★ローズマリ・サトクリフ著 灰島かり訳: 『ケルトの白馬』
    イギリスの山肌に描かれた巨大な白馬の絵。その起源を求めて太古の物語にヒントを得て描かれた本。敵に滅ぼされた部族に生き残ったわずかな人々が新天地に旅立っても、彼らの先祖が馬乗りの名手であったことを地上に永遠に刻み込むために、敵方のために描いた白馬。
  • ★K.M.ベイトン著 山内智恵子訳: 『駆けぬけて、テッサ』
    血統には恵まれてはいるが、視力に問題を抱えたサラブレッド・ピエロとともに、自分の道を懸命に探し続ける少女テッサが苦難を後超えて、グランドナショナルで勝利をつかむ物語。馬の心理描写が素晴らしかった。
  • ★夢枕獏: 『大江戸恐龍伝』
    真友の立原位貫さんが装幀と各巻扉絵を描いています。