G7主要国首脳会議が終わった。洞爺湖サミットからの8年間に東日本大震災という、国を揺るがす大災害が発生し、その影響は今も深く社会の隅々に及んでいる。
TVニュースや新聞で知る限り、我国の首相の口から東日本大震災をどう乗り越えようとしているのか、それに言及する場面はなかった。リーマンショック、リーマンショックと繰り返す首相は、経済最優先を一層強く印象付けた。
リーマンショックもさることながら、国民的には東日本大震災の方が大きなリスクであったと思いたい。今もそのリスクは継続している。常磐自動車道を広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、南相馬市と通過してみて欲しい。富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、そこには人気のない人家、荒れた田畑、除染の残土の集積場が延々と続く。大切な故郷を追われた人の苦しみを思うと、涙が止まらない。
避難民として故郷を離れた人々はどこに行ったのか。避難民という語感は、「遠くない将来に、慣れ親しんだ故郷の自宅に確実に帰ることができる」というものだが、帰還困難地域には近い将来には戻ることは不可能だ。
国を捨てて、他国に生命の安全を求めるのが難民。戦争や紛争、政治的暴力など、生命が国家によって保証されないときには、やむなく国を捨てる。放射能という目に見えない独裁者が、人間だけではなく、すべての生き物を脅かしている。魔の手から逃れるために故郷を離れざるを得ない。正に難民である。
2011年3月12日に始まった独裁者の過酷な仕打ちによって、人々は行く先も分からず、取るものも取りあえず、故郷を後にした。到着した先は落ち着けるような場所ではなく、寒さやのどの渇き、空腹に苦しみ、寝る場所もないほど避難民であふれている。
自治体が用意したバスにはペットは乗せられない、親は病気だ。かといって自家用車にはガソリンが乏しく、どこまで辿りつけるかわからない。今すぐ判断しなければならない。病気の親と連れだって、どこに逃げればいいのか。やっと得ることのできたしばしの安住の地で、地域から孤立、家族は離散。
想像を絶する苦労を味わい、乗り越え、今も多くの方々が故郷を遠く離れて暮らしている。
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