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2016年4月

2016年4月29日 (金)

広島平和記念公園

昨年の秋、何十年ぶりに訪れた広島に、先日また出かける機会があった。

朝の散歩は、迷うことなく広島平和記念公園に向かった。

原爆で死亡した14万人の方々のうち、今も7万人もの方々の身元が不明だそうだ。遺族を探すために、昭和43年から「原爆供養塔納骨名簿」を広島平和記念資料館などで公開している。

原爆供養塔にはその7万柱が納骨されている。

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初老のご婦人が早朝から竹ぼうきで供養塔の周りをきれいに掃き清めておらてた。行きかう散歩の人は必ず「おはよう」と挨拶をして通り過ぎる。きっと、もう何十年もこうして守って来ておられるのだろう。

公園の周りにはさまざまな慰霊碑が建てられている。昭和20年8月6日、家屋疎開作業のために、川内村から駆り出された「義勇隊」174名の民間人が、原爆によって一瞬にして亡くなった。遺族がその義勇隊の霊にささげるために建てた慰霊碑もそのひとつ。

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慰霊碑にはこう記されている。

『謹みて義勇隊員の霊にささぐ

  我等みな忘れまじ悲しみて余りある惨状の日を、

そは 昭和二十年八月六日午前八時十五分なり。

原爆 この地に投下され 阿鼻叫喚の巷の中で

苦悶のはてに吾がはらからは いまここに眠る。

  軍の至上命令とはいえ百七拾四名の尊き犠牲者

当日 早朝より 家屋疎開の作業に従事す。

その名 川内村義勇隊 旧安佐郡川内村温井

部落居住者なり。

  戦禍の憎しみ今ここで言うをまたず、我等遺族

その若き命をささげし霊に対し断腸の思い

果つるを知らず。

  ここに遺族一同相はかりて その尊き犠牲を

永久に語りつたえ、今 平和のきざしこの地より

出ずるにあたり 霊よとこしえに安かれと祈念し

この碑を建立す。

  昭和三十九年八月六日

     安佐郡佐東町川内温井

          遺族一同 』

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真ん中に、相対性理論から導き出され方程式『E=MC2(2乗)』が刻まれた慰霊碑は、広島市高等女学校原爆慰霊碑である。

建物疎開作業中に1、2年生(当時12、13歳)541人、教職員7人の全員が亡くなり、他の動員先を含め676人が被爆死したそうである。

この碑は昭和23年、広島市女(イチジョ)原爆遺族会が母校校庭に建立し、13回忌に当たる1957年に現在地に移された。中央に刻まれた『E=MC2(2乗)』は、連合軍の占領下のため、『原爆』という文字が使用できなかった当時の事情によるそうである。

強く胸に迫る。

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石川県文化財保存修復工房リニューアルオープン

リニューアル前から、石川県立美術館の敷地内に設けられた修復工房には、石川県在住の装こう(表具)専門業者数社が団体を作り、受注した作品の修理を工房内で実施していた。

東京国立博物館も平成15年前後、数年にわたり修理を依頼した経験がある。当時、保存修復課長だった私は、東博の作品の多くが修理によって館外に出ることを一つのリスクと考えていた。さらに、作品が特定の工房に集中することも、その上でのリスクと考えていた。

また、日本の保存修復分野の底上げを図るうえで、東博の活動が少しでも役に立てないかと考え、ある水準以上の工房には遠隔地であっても広く修理を依頼し、それによって修理場所を分散させ、リスクの分散化を図っていた。

残念ながら、修理予算の減少とともに、遠隔地あるい交通の不便な地域での修理では、修理途中に度々行う必要がある修理監督に要する旅費、さらにはそのために費やす時間が想定以上にかかりすぎることから、金沢の地にある修理工房への発注は断念せざるを得なくなった。

あれから10年ほど経過し、広坂別館という建物に工房を増設して、4月24日にリニューアルオープンした。広坂別館は、大正11年に陸軍第9師団の師団長宿舎として建てられたものである。

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石川県文化財保存修復協会という団体が工房を使用し、県内外の文化財の修復にあたっている。建物などの施設は県立美術館が管理し、施設内で働く協会が人材、設備、資材を用意して修理を受注している。京都、奈良、九州の国立博物館に併設されている修理施設とほぼ同様な運営形態である。

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来館者サービスとして、修復工房の作業風景が内部に設置された大きなガラス窓を通して見学ができるようになっている。石川県立美術館の作品、社寺や個人、他の博物館美術館から作品を預かっていることから、見学が可能な作業は所有者から公開の許可が得られたもののみである。

上野から金沢へは、新しく開業した北陸新幹線を利用すれば2時間30分はかからない。修理監督に赴くのに時間がかかりすぎるという理由はもはや通用しなくなった。

石川県文化財保存修復工房の案内は下記のURLから。

http://ishibi.pref.ishikawa.jp/about/old/information/kobo/kobo.html


2016年4月23日 (土)

カレントアウェアネス・ポータル

熊本地震による文化遺産の被害状況や関連する調査救援活動についての情報は、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトが詳しい。

カレントアウェアネス・ポータルは下記の通り。

current.ndl.go.jp

図書館、博物館、資料館、美術館、行政関係など、さまざまな分野の状況が網羅されている。

2016年4月22日 (金)

庭の花

ブルーベル

ブルーのストライプが何ともかわいらしいですね。

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タイム

小さな花が沢山咲き始めました。

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アマコユリ

年々株が増えていきます。僅か一株が五株に増えました。

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2016年4月16日 (土)

保存食

つい最近、美味しい保存食だけを取り扱っているお店を訪れた。

軍隊用のレトルト食品

一般用のレトルトカレー

非常用の缶詰

など

どれも、味にはこだわった商品ばかりだという。

試しに、

缶詰のパン「新食缶ベーカリーミルク」 389円

缶詰ポトフ「災害対応食ポトフ」907円

を購入して帰った。

熊本の地震はその翌日である。

販売店は下記のところです。

何と看板にはロゴとして「保存」の文字が。

TERRA CAFE BAR

〒140-0022 東京都品川区東品川2-2-43

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PIGMENT

とてもユニークで美しい画材屋さんを紹介します。

一見の価値ありです。

その名はずばり『PIGMENT』。

ピグメントですかと聞いたところ、フランス語読みで「ピグモン」と呼ぶのだそうだ。

材料が見事に展示され、材料博物館でもある。

5千種以上の顔料が壁一面に並んでいるのが圧巻。

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反対側にはさまざまな筆や硯が飾られ、試し書きもOK。

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膠の種類も多い。変わったところでは驢馬の膠。

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店内ではワークショップなども可能。

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和紙もあるので、必要なものはすべてそろっている。

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〒140-0002

東京都品川区東品川2-5-5 TERRADA HarbourOne Bldg. 1F

03-5781-9550

熊本県災害ボランティアセンター(平成28年熊本地震:4/15~)

K ボランティア情報 熊本県社会福祉協議会は、4月14日に発生した平成28年熊本地震被災者支援のため、熊本県災害ボランティアセンターを設置しました。(http://www.rescuenow.net/より

参加を検討される場合は、「参加要件」「活動内容」「期間」など、最新の情報を運営者ホームページで確認し、センターの指示に従うようにしてください。 (4月15日更新)

◆熊本県災害ボランティアセンター http://www.fukushi-kumamoto.or.jp/kinkyu/pub/default.asp?c_id=23

現在、災害救援先遣チームを現地に派遣し、ボランティアのニーズ調査を行っています。 状況が判明次第、このページでお知らせしますので、その際は、皆様のご協力をお願いします。 なお、現地では、現在、懸命に人命に関わる活動が行われています。この活動の妨げにならないように、ボランティアの皆様は、「熊本県災害ボランティアセンター」の今後の情報を見て行動してください。 熊本県防災情報ページ http://cyber.pref.kumamoto.jp/bousai/

熊本県熊本地方でM6.4・最大震度7

熊本県熊本地方でM6.4・最大震度7の地震(http://www.rescuenow.net より)

4月14日21:26頃、熊本県熊本地方を震源とするM6.4・最大震度7の地震が発生しました。

発生時間:2016年4月14日(木)21:26頃

震源地:熊本県熊本地方(北緯32.7度、東経130.8度)

震源の深さ:約10km 地震の規模:M6.4(推定)

震度7 熊本県熊本

震度5弱 熊本県阿蘇 熊本県天草・芦北 宮崎県北部山沿い

震度4 山口県西部 福岡県福岡 福岡県北九州 福岡県筑後 佐賀県北部 佐賀県南部 長崎県南西部 長崎県島原半島 熊本県球磨 大分県中部 大分県南部 大分県西部 宮崎県北部平野部 宮崎県南部山沿い 鹿児島県薩摩

震度3 愛媛県東予 愛媛県南予 高知県西部 山口県東部 山口県中部 福岡県筑豊 長崎県北部 大分県北部 宮崎県南部平野部 鹿児島県大隅 鹿児島県甑島

2016年4月10日 (日)

我が家の近くに燕飛来、そしてブナの木に若葉が

燕の姿をついに見つけました。春本番です。

庭のブナの木に若葉が芽吹き始めました。昨年よりも少し早いと思います。

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ジャーマンアイリスの葉も伸びてきました。葉が透けて綺麗です。

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ニシキギの若葉です。最初から小さいね。

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冬の間に食べる葉物に咲いた菜の花はどれも黄色。その中に白い菜の花。

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今年の山吹はとても鮮やかで大輪。

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2016年4月 7日 (木)

庭の草花が咲き始めました

3月の半ばにはハクモクレンの白い花が散りました。20年前に比べると2週間近く早まっています。同じくブナの木の若葉も今週から少しづつ開き始めました。こちらも以前はゴールデンウィーク前からなので、2週間ほど早まっています。これをもって地球温暖化の影響と決めつけるのははばかられますが、きっとそうであると頭の中では確信しています。

ハクモクレンは白木蓮と書き、英語名はWhite Magnoliaです。花言葉は「高貴な心」「慈悲」。白亜紀の地層から化石が発見されていることから、地球上でもっとも古い花木と言われているそうです。蕾が大きく膨らんだ頃、ヒヨドリがやって来ては蕾をつついて食べています。全部食べられないかとひやひやです。

次に咲くのがラッパスイセン、花言葉は「尊敬」「報われぬ恋」。数週間も咲いてくれています。

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続いてスノードロップ、花言葉は「希望」「慰め」。

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ピンクのヒヤシンス、花言葉は「スポーツ」「ゲーム」「しとやかなかわいらしさ」。

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ハナニラ、花言葉は「悲しい別れ」。青味がかった花弁がどこかもの悲しげです。

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青いスミレ、花言葉は「貞節」「愛」。

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ところで、上野公園の桜は昨日辺りから急に散り始めました。花が盛りを過ぎ、風が吹くと花吹雪です。

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2016年4月 4日 (月)

神奈川県立近代美術館鎌倉館 after 40 years

2016年1月31日をもって一般公開を終了した神奈川県立近代美術館鎌倉館を訪ねてみた。


鎌倉駅前から鶴岡八幡宮に向かう段葛が新しくなり、道幅もやや広がった印象を受けた。そこを大勢の花見客が行きかい、鎌倉は花見で賑わっている。いよいよ観光シーズンの幕開けだ。


神奈川県立近代美術館の学芸室に初めてお邪魔したのは、22歳の時だったと記憶している。歌田先生に連れられて行ったことだけは確かである。


現館長の水沢勉さんが、まだ若手として働き始めたばかりの頃だったと思う。青木茂さん、陰里鉄郎さん、酒井忠康さん、山梨俊夫さん。他にも幾人かおられた。今は美術界の重鎮たちが当時の学芸室にひしめいていた。


夕方にはどこからともなく酒が出てきて何となく呑む。必ずしも車座になって呑むというスタイルではなく、各自が自分の机に向かって仕事をしつつ、客の我々はたしか接客用のソファーに腰かけ、皆に取り囲まれるような雰囲気で呑んだ記憶がある。


初めての海外出張の土産に持ち帰った何本かのウイスキーが、あっという間に全部空いてしまい、持ち帰った主があまりのそっけない対応にがっかりしたとかいう話を青木茂さんがしてくれた。普通はもっと有り難がったり、出張がどんな様子だったのかとか、いろいろと話が弾むなかで、ウイスキーがじわりじわりと減っていくのを本人は想像したのだろう。そんなことには全く斟酌することなく、出した夜に全ての瓶は空いたのである。


あれから40年近くが過ぎた。久しぶりに訪れたカマキンは当時の記憶とさしたる違いもなく、たたずんでいた。学芸室の建物のドアを開けて中に入ると、そこにはあの豪傑たちが今もひしめいているような錯覚にとらわれた。

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ALL鎌倉映画祭2016のご案内

ALL鎌倉映画祭2016  映画で考える自助・共助

3.11を忘れない 私たちの知らない東日本大震災

              会場:鎌倉生涯学習センターホール

              料金:大人1,500円 学生1,000円

              主催:鎌倉に震災銭湯をつくる会

                  http://www.shinsai1010.com/

☆ 『with若き女性美術作家の生涯』 4月16日(土) 開場18:40 開演19:00

   ゲスト 榛葉 健監督

☆ 『架け橋 きこえなかった3.11』 5月11日(水) 開場18:40 開演19:00

   ゲスト 今村彩子監督

☆ 『土とともに』6月11日(土) 開場18:40 開演19:00

   ゲスト 古居みずえ監督

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    海鳥社 2012 日本設計の池田武邦さんがハウステンボスの設計にかけた情熱とその源泉について、ドキュメンタリー的に記されている。茅葺に興味があったので手に取ってみたが、ハウステンボスの設計思想とその実態について初めて知ることが多く、ぜひ一度行ってみたくなった。
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