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2012年9月25日 (火)

まるまる太った熊・げっそり痩せたヒグマ

東京国立博物館本館18室には望月玉泉筆「岩藤熊萩野猪図屏風」が展示されています。今この時期、まさに熊や猪は野を駆けまわり、一生懸命に脂肪を蓄えているところです。

Photo

丸々太った親子の月ノ輪熊が、藤がからむ岩山の中を餌を求めて歩いている様子でしょうか。幸せなごく普通の光景が目の前に広がっています。今までは、秋になれば、普通にこのような情景だったのです。

今月9月の半ば頃、テレビの画面に痩せて腰骨が浮き出たヒグマが映りました。ユネスコ世界遺産の知床半島に暮らすヒグマでした。今年は異常な高温が続き、海水温が高いまま冷めないので、いつもなら川を遡上する樺太鱒がほとんどいないそうです。冬を越す栄養の多くを鱒に頼るこの地のヒグマにとって、鱒の遡上が止まるのは命取りに近い。

自然の生態系を守るためには、こうした環境変動による動物の変化もそのままにしておかねばならないと、レンジャーの方が語っていました。それはそれで極めて納得できる話ですが、目の前の痩せた熊を何とかしてやりたいと思うのが人間です。それにしても、骨が浮き出た熊は生まれて初めて見ました。環境の変動が動物たちを直撃しています。

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