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2011年3月21日 (月)

被災した文化財と地域の記憶

東北関東大震災で被災された地域では、人命救助と行方不明者の捜索、被災者の方々への救援が今現在進行しています。そんな中で、文化財の安否は優先順位からすれば低いことは承知ですが、いろいろと考えています。

先日もテレビのニュースで、何か形見になるものが残ってないかと、被災した自宅跡の瓦礫を探している方が、母親と娘の遺影を見つけて安心しておられる映像を拝見しました。今回の災害で何十万人もの方の思い出の品が一挙に失われてしまいました。今ならまだ見つけられるチャンスがある訳です。いづれ復興事業が開始されることになれば、瓦礫は一挙に撤去されていきます。そのときでは遅いのです。その時のことは、阪神淡路大震災の様子として以前にこのブログに書きました(保存という名のひかり(その4~9 阪神淡路大震災1~5)をご覧ください)。

個人のもの、公共のもの、何もかもが瓦礫と共に埋まってしまっています。いづれれ文化財の保存のための救済活動を始めなければなりません。文化財は価値も形も場所もはっきりしたもので、その保存は優先されてしかるべきです。ですが、今回は特に個人や地域で集積してきたもの、これを少しでも残さなければ大きなものを失ってしまいます。地域の生きざまが失われてしまいます。こうした名もなき多くの記憶の保存も文化財と同様の重さがあります。

価値の定まった存在を特定できる文化財、そして不特定多数の地域と個人の生活の証を一緒に今回は救済していかなければならないと思います。阪神淡路大震災の時は文化財は文化財の専門家、その他はその他というような感じでした。でも、今回はそれでは失うものが多すぎるように思います。そのための知恵を絞りましょう。

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