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2011年1月27日 (木)

16年前の今、何してた

阪神淡路大震災、あの時のことは決して忘れません。いつもこの時期になると、しばらくの間、当時のことを思い出しては、心に刻むようにしています。薪ストーブは趣味でもあるし、実用でもあるのですが、一方では災害に強い暖房とも考えて、使用しています。停電になっても、灯油が切れても、薪とマッチさえあれば何とかなります。もしも地震のがれきに埋まったとしても、薪ストーブがあれば近所の人々を暖めることができる。そんなことを大真面目に考えています。

昨日奈良へ向かう新幹線の中で、パソコンにしまってある昔の文章をいろいろと見ていました。すると、16年前どこかで発表した文章に、今何をしていたかを記したものが見つかりました。一寸それを紹介します。

『そうこうする内に、時間は瞬く間に経過してしまいました。2月9日になってやっと私は被災の現地で文化財保全の活動を行っている専門家を知ることができました。阪神大震災地元NGO連絡会議文化情報部に席をおいて、被災文化財の救済活動を行っていた坂本勇氏と電話で連絡をすることができました。文化情報部の活動は、個人の思いで、町内の活動記録、学校の卒業アルバムなど、私達の身近にある記録類をも含めた文化財を救出することを基本的な前提としていました。坂本さんとの話で、段ボール、ガムテープ、大型のビニール袋等が現在不足していること、今後予想される救済活動の増加に伴いさらに不足することが予想されるので、緊急に手配をする必要があることを聞きました。この時初めて、私に何ができるかが理解できました。必要資材を準備し輸送することです。つまり、現地にいなくてもできる後方での支援です。現地からの正確な情報と適切な支持に基づく迅速な対応の必要性を痛感しました。

 2月9日の夕刻、私は早速、日本通運株式会社、ヤマト運輸株式会社、文教総合サービス株式会社へ連絡を取り、梱包用の段ボール、エアーキャップ、ガムテープ、梱包用紙、ポリ袋などの提供をお願いしました。各社とも即刻に了解を頂き、段ボールは500箱、梱包用紙は200枚、ポリ袋は1000枚ほど用意ができ、2月14日までに現地へ輸送する手配も完了しました。そのとき、私が所属する博物館にこれらの資材の備蓄が多少でもあれば、もっと速い対応ができたものと考えます。この、第1回目の資材の輸送は、量が比較的少量であったために,資材の置き場所に関しての心配はいりませんでした。

 2月10、11日の両日、私は阪神大震災地元NGO連絡会議事務所へ出かけました。事務所は神戸市中央区栄町にあり、毎日新聞社のビルの一室を使用していました。他の多くのNGOの活動の中で文化財情報部は活動しておりました。経験豊かなNGOに比べ、にわか作りの文化財情報部の活動は手探りの状態でした。しかし、周りのNGOからの様々な支援により実際の活動は始まっておりました。 文化財情報部では、ボランティアの確保、被災情報の把握、救出資料の一時保管場所、資材の保管場所、宿泊施設の確保など当面する様々の課題と取り組みながら、救援を求める市民からの要請に丁寧に答えていました。ボランティアの確保では、文化財保存の専門家を集めることには相当の困難があったようですが,、般のボランティアに関しては熱意のある多くの学生、主婦のかたたちが登録していました。被災情報の把握に関しては、博物館、美術館、図書館を一つ一つ電話連絡によって尋ね、被災直後の状態を把握しようと努力していました。ただし、具体的な救援を求める声は少なかったようです。一方、市民からの救援の要請は多かったのですが、家財道具の搬出や位牌の救出を求める連絡も含まれていました。

 このように,文化財情報部は多くの困難を抱えながらも、現場での問題に対応しながら少しづつ形をなしていっておりました。それを可能にした力は、事務所の立地条件が大きいのであろうと思います。情報の収集と、人材の集中が可能な場所に位置していたと思います。』

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