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2011年1月28日 (金)

16年前の今、何してた(続)

『 2月11日に、西宮市にある喫茶店ラ・ポバニーからの依頼を受け、私は被災状況の調査に出かけました。喫茶店の内部には元のオーナーが描いた壁画があり、その壁画を家屋の解体の前に救出したいという依頼でした。この喫茶店は、この地域の画家達のたまり場であり、精神的な中心となった場所でもありました。救出に当たっては、壁画の表面の保護が必要だろうと考えられましたので、早速東京にいる修復家に具体的な手順について相談をしてみました。そのとき、その修復家の答えは、応急処置も最終的な修復処置の一環として考えたいので、中途半端な処置はして欲しくない。したがって、もし自分がその壁画の修復に当たる場合、他の修復家が行った応急処置は邪魔なものであり、むしろ何もなされていない方が修復しやすいというものでした。なるほど理解できる対応ではありますが、緊急時にそれでいいのだろうかと思いました。東京と現地とでは感覚に大きなづれがあるのを感じました。

 2月16日、さらにレンゴー株式会社より段ボールの提供を受けことがきまり、当座2000箱の提供を受けることにしました。これだけの個数になると文化情報部がある事務所には置けないので、資材置場をいよいよ確保する必要が生じました。そこで、神戸市中央区にある兵庫県埋蔵文化財調査事務所を尋ね、段ボールなどの資材保管場所として同所を利用させていただけるように依頼をしました。その際は、文化財救出のための活動ならば、誰でも資材を利用できることにしました。  このころ、国立民族学博物館の森田恒之氏の発案により、パソコン通信を利用した特定の人間だけが内容を見ることができる電子掲示板(Home Party)を開設し、約10名程度の専門家で情報交換を始めました。その時の情報が救援活動に直接利用できたわけではありませんが、専門家相互の連絡網を形成するための参考として今後約に立つものと思います。

 2月17日には、文化庁と保存関係学会との協力による被災文化財等救援委員会が神戸市内に設置され、体的な救援活動が組織的に動き出そうとしておりました。』

このところ寒い日が続きますが、当時も寒かったことを思い出します。今週の初めに仕事の打ち合わせで名古屋で会った方から、16年前に兵庫県立歴史博物館で会っていますと言われましたが、すっかり忘れてしまっていました。あの頃、資材提供やその他いろいろなことについて、快く対応して頂いた方々、特に日本通運株式会社、ヤマト運輸株式会社、文教総合サービス株式会社、レンゴー株式会社に改めて感謝申し上げます。

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