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2010年7月13日 (火)

保存という名のひかり(その12 海外留学1)

海外留学(1)

 創形美術学校修復研究所時代、どこかに出て、それまでと違う環境や視点で勉強や仕事がしてみたいという気持ちが次第に募り、日本を飛び出して、オランダかイギリス辺りで油彩画の保存について勉強をしてみたいと思っていた。

 油彩画修復と言えばフランスという選択肢もあるが、英語しか分からない僕には、英語圏を選ぶ他なかった。でもそれだけが理由ではなく、油彩画修理の世界をこれまでの職人技の世界から、科学を重視した世界へと確実に進めている国を選んだ。

 可能な限り事前の調査を行い、状態の把握、作品の制作技術や材料、過去に行われた修理の箇所などを明らかにした上で、実際の処置を行う。処置についても使用する材料や方法について、同様の態度で臨む、これがいわゆる保存科学的な手法である。

 ヨーロッパの中では、他にドイツも先進的な国であった。スペイン、イタリアはもちろん伝統のある国ではあるが、保存科学を取り入れ、実践するという意味では、僕的にはやや遅れているという感があった。だから、ロンドンのナショナル・ギャラリー、テート・ギャラリー、オランダの中央研究所など、名前の通った一流の機関への留学を夢見ていた。

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