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2010年6月 4日 (金)

保存という名のひかり(その4 阪神淡路大震災1)

阪神淡路大震災(1)

 そんな坂本さんの姿に心打たれ、彼を側面から支えられないだろうか、彼の活動を何か手助けできないだろうかと考え続けたあげく、とうとう車を仕立てて横島さんと共に阪神に出発することにした。当時芸大に席を置く博士課程の横島さんは、私が勤める歴博で2年間の特別受託学生として鉛白の製造に関する研究を進めていた。それ以後僕の気持ちは阪神地域に釘付けになり、1995年5月頃までの4ヶ月間は数え切れないほど現地に赴いた。

 歴博のワゴン車を横島さんと交代で運転して出かけたのが阪神地域に入った最初である。この目で現実を見てから、これからのことを考えようと思った。橋桁ごと傾いて倒壊した名神高速道路が延々と続く映像を覚えている方も多いと思うが、当時は瀬戸内側から神戸に入ることは、緊急車両と救援物資を運ぶ車両にのみ許されていたので、あの映像の現場に行くことは難しかった。

 一般車両が神戸市内に入るには、三田市方面から六甲山を越えなければならず、道路は物資を輸送するトラック、被災地の救援に向かう自衛隊の車列、僕らのような自家用車などで渋滞し、六甲越えに何時間もかかった。渋滞していても、あたり一面は静まり返り、皆ただ黙々と神戸を目指していた。振り返ると異様な光景である。そのときは、坂本さんに手配してもらった三田市のレクリエーションセンターで寝泊まりしながら、毎日神戸市内に通った。市内に入ると辺り一面が全壊したビルや民家で埋め尽くされていた。

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