2016年8月 3日 (水)

気になる熱放射型冷暖房装置

岩手県八幡平市にあるピーエス工業のIDICを訪ねた。今から20年近く前から気になって仕方がない空調について実体験をするためだ。

ショールームと工場を兼ねた建物の中は極めて快適。建物の前には広葉樹が茂っているお陰で、窓から差し込む光は木漏れ日。その分、建物内部の温度上昇は抑えられている。冬は葉が落ちるために、日が差し込んでその分暖かくなる。

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オフィスの中にはバナナ、ハイビスカスなどの南方系から、詳しい名前はわからないがスプルスに似た北方系まで、多様な植物が生き生きと育っている。ハイビスカスはオフィスの気候に順応した結果、毎年2月ごろに開花するという。

建物の中は風のない無風の状態で、部屋全体が軽く冷えている。洞窟やムロの中で感じるひんやりとした空気感と同じである。換気のために窓の一部がわざと開けてあるが、暑い外気の影響は感じられない。

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室内の温度調整は、暖房器具のオイルヒータなどで見かける羽が何枚も連なったラジエターに冷水を循環させ、そこから出てくる冷たい輻射熱で建物内部を冷やす。その時にラジエターの表面は結露して水が垂れるため、ラジエターの下には雨樋状の結露水受けがある。結露によって空気中に含まれる湿気も取り除かれる。

この冷たい輻射熱によって室内は洞窟や地下室、あるいはムロに入ったかのようにひんやりとした環境になる。通常のエアコンが冷たい空気を部屋中に拡散させる代わりに、冷たい輻射熱を部屋中に静かに伝えるのが本装置の特徴である。例えて言うなら、氷の塊が部屋の中にあるような状態である。

風がないので、部屋の中は極めて静か。最近はワインセラーにもこの方式を使う例が増えているとか。ワインセラーはもともと古いお城の地下室のような場所なので、同じような環境をつくることができるという訳だ。

敷地内には装置を家庭生活で実感できるようにと、ゲストハウスが用意されている。

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ゲストハウスには数台の装置が設置されていて、丁度間仕切り用のレースのような感じにも見え、オシャレだ。

台所のパントリーにもこの装置が設えられ、ワインや野菜が適温下で保管されている。野菜は、風のない冷たい環境下で保管されると、普通の冷蔵庫の野菜室の中でよりもずっと長持ちするそうだ。

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循環する水を冷やすために汲み上げられた地下水は、使用後地上の小川を伝って再び地中に戻される。

冬はラジエターを循環する水を温めるのので、暖かな熱がラジエターから放射されることになる。

このように、年間を通じてこの装置を稼働させることによって、室内の気温の較差を小さくなり、マイルドな温度環境になる。冷やした空気、あるいは温めた空気を送風する従来の冷暖房よりもエネルギー使用量もかなり小さくなるそうだ。

オフィス内にはピアノがあり、時々はコンサートも開催されるとか。窓の前に広がる森、森の空気に包まれたような室内、そんな中で静かに演奏を聴いてみたいものだ。

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2016年7月30日 (土)

象潟の風景

江戸時代は、九十九島・八十八潟と呼ばれる景勝地。

「東の松島 西の象潟」と呼ばれ、松尾芭蕉の『奥の細道』(1689年)でも

『象潟や雨に西施がねぶの花』

と詠われている。

しかし文化元年(1804年)の象潟地震で海底が隆起し、陸地化した。現在はところどころに点在する島が田んぼの中に浮かんでいる。田植えの頃は田んぼの水もに映りこんで、九十九島の当時を彷彿とさせる景色だそうだ。

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秋田千秋公園の蓮

三か月間にわたる秋田公立美術大学での集中講義の最終回。

7月24日の千秋公園は蓮の花が咲き誇っていた。

7月31日は立原位貫さんの命日なので、彼を偲びながらぼんやりと眺めた。

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江の島から見る富士

江ノ島の脇にある腰越漁港から望む富士山。

北からの冷たい高気圧の勢力が強い頃で、暑いけれども空には秋のような筋状の雲がたなびいていた6月下旬のころ。

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京都町屋の風情

ひょんなことから京都の町屋にお住まいの方を訪ねることになった。

玄関先、裏庭などの植物が涼しげであった。

玄関を入るとすぐに棕櫚が出迎えてくれる。

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玄関先の座敷を上がると奥の方に小さな庭がしつらえてある。

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奥座敷の向こうには縁側に続く裏庭があって、明け放たれた障子がとても清々しい景色である。

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さすがに真夏は冷房装置がないと、如何に庭から涼やかな風が入るといっても、昨今の暑さには耐えられない。

風を送る空調方式では障子やガラス戸を締め切ってしまうので、庭との一体感が途切れてしまい、折角の縁側も意味をなさなくなる。

開放したままで、室内が涼しく、庭との一体感が得られる空調にしたいものだ。

2016年7月 4日 (月)

和紙の里 五箇山

白川郷から車で富山県の南西の端にある五箇山に向かった。五箇山も白川郷とともにユネスコ世界遺産に登録された合掌造りの集落がある。

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白川郷は大型バスを連ねて外国人観光客がやってくる観光地であるが、ここ五箇山はそれに比べるとひっそりとして静かなものである。

五箇山には原料の楮が豊富で、豊かな水があるため古くから和紙作りの盛んな里であった。

この地域の紙すき歌に

       雪にうもれて紙すく村は、

       野積四谷にオワラ五箇五谷

       五箇の五谷に野積の四谷

       一日紙すきゃオワラ千になる

野積谷と五箇山の地域のあちこちで紙が漉かれていた様子がわかる。「千になる」とは千両になるということらしい。

五箇山和紙の里では紙漉き体験ができるほか、漉いたばかりのいろんな種類の和紙、和紙を使った工芸品が販売されている。

この地域での和紙作りを束ねるのが五箇紙協同組合で、輸入の楮に頼ることなく、1町歩弱の桑畑を楮畑に変えて、今でも自前の楮を栽培し、和紙の原料としている。

そこで働く和田さんにいろいろと教えていただいた。

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2016年6月25日 (土)

白川郷

長年の夢。白川郷に出かけた。

高山から車で難所の天生峠(あもうとうげ)を越えた。下り終わると、小さな集落にひっそりたたずむ合掌造りがお出迎え。

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そこから、いわゆる白川郷に到着すると、さすがにユネスコ世界遺産だけあって、ものすごい観光客が訪れている。

大きな駐車場に車を止め、外国人観光客に交じって見晴らし台に登ると眼下に郷が広がっている。雨上がりで空気が澄んでいるためか、遠くまでよく見えた。

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ざっと見て30棟くらいの茅葺合掌造りの建物がのこっている。圧巻だ。

内部を公開している重要文化財の民家。

民宿を経営している民家。

日本ナショナルトラストが買い取って保存を進めている民家。

そういったこととは関係なしに、生活を続ける一般の民家。

茅葺をトタン葺きに変えた民家。

いろいろなスタイルがある。

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2016年6月24日 (金)

神馬見参

6月11日(土)、サミットを終えたばかりの伊勢を訪れた。

朝、5時に内宮前の駐車場に到着し、暫く自家用車の中で休憩をしてから、6時過ぎに出発。

宇治橋を渡っていよいよ内宮へ。

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偶然、毎月1日、11日、21日など1の付く日は、神馬が内宮に参る日だそうだ。8時ころまでぶらぶらしていると、栗毛の神馬が神官に伴われてやってきた。

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内宮前で、神官とともに神馬も拝礼。

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ネットで調べると白馬もいるようで、勝手に白い神馬とばかり思いこんでいたので、栗毛の馬がとても新鮮。

2016年6月22日 (水)

石垣島は夏景色

仕事で石垣島を訪れた。

本土は今梅雨の真っ最中で、昨日から九州地域は記録的な大雨。関東では雨が少なく、取水制限も始まるそうだ。

朝5時辺りはまだ暗く、6時頃になってやっと明るくなる。ホテルの外に出ると、すでに気温が相当に高い。

蝉がすでに鳴いている。もう真夏だ。水平線の上には入道雲が湧き立っている。気持ちいい。

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一時間近く海の近くを散歩。公園では地元の老人が、朝のひと時を木陰でゆったりと過ごしている。

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気持ちのいい一日が始まった。感謝

2016年6月15日 (水)

みんなの森 ぎふメディアコスモス

伊東豊雄さんが設計した「みんなの森ぎふメディアコスモス」を見に出かけた。

2015年7月に岐阜市内に新しくオープンした図書館である。

住所: 〒500-8076 岐阜県岐阜市 司町40番地5

電話: 058-265-4101

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建物の外観は曲線が多く使用され、正面左側には仮設テントでよく見られる花を逆さにしたような屋根をもつコンサバトリーに Starbucksが出店している。

面白い空間であると噂で聞いていたので、中に入る前から楽しみ、ドキドキ。日曜日ということもあって沢山の市民が来館していた。お陰で駐車場は超満車状態で、長蛇の列。

中に入ると蜂の巣の中にいる様な空間が広がっている。天井は木材板が幾重にも交差しながら、何層構造に重ねてあり、カッパドキアの洞穴を連想させるようにうねっている。

その天井からクラゲのような大きな傘が下がり、その傘の下に図書館のいろいろなコーナー設置されている。クラゲの傘は直径が10メートル以上、メッシュ状の生地に模様が織り込んである。

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傘の下には貸出や図書検索のコーナーがあったりする。図書は傘から外れた空間に、高さ150センチほどの低い本棚に配架されていて、フロア全体が見渡せる。

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読書コーナーも大きな傘の下にあり、ゆっくりと蚊帳に包まれるような感じで、集中できる。

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エネルギー問題に正面から向き合った建築設計だと聞いているが、詳しいことは自分自身よく分かっていない。これから勉強してみようと思う。

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気になる1冊

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    海鳥社 2012 日本設計の池田武邦さんがハウステンボスの設計にかけた情熱とその源泉について、ドキュメンタリー的に記されている。茅葺に興味があったので手に取ってみたが、ハウステンボスの設計思想とその実態について初めて知ることが多く、ぜひ一度行ってみたくなった。
  • ★ヨースタイン・ゴルデル著 猪苗代永徳訳: 『オレンジガール』
    命のバトンタッチの意味。
  • ★籔内佐斗司: 『壊れた仏像の声を聴く 文化財の保存と修復』
    一緒に仕事をする機会には恵まれませんが、いつも気になっている方が仏像と修理について書き下ろした本です。
  • ★バージニア・リー・バートン 著 まなべ まこと 監修 いしいももこ訳: 『せいめいのれきし』 改訂版
    恐竜研究の第一人者・真鍋真氏が監修した絵本。絵本と言ってもかなり高度な内容です。生命のバトンタッチを分かりやすく描いたもの。
  • ★日本博物館協会 (編集): 『博物館資料取扱いガイドブック-文化財、美術品等梱包・輸送の手引き-』
    美術品梱包輸送技能取得士認定試験の制度が始まって4年が経ちます。認定試験を受ける人のための教科書であるとともに、美術品の展示、輸送に携わる人々にもとても役立つ本です。
  • ★ケヴィン・ヘンクス著 多賀京子訳: 『マリーを守りながら』
    自分にも娘がいるが、少女のころの彼女の気持ちを理解、解りあえることは難しかった。父親と幼い娘の間の気持ちの揺らぎを描いた作品。
  • ★藤沢修平: 『三屋清左衛門残日記』
    60歳で定年後、特任研究員として再雇用された時、これから先の時間を如何に過ごすか想像できなかったとき、ご隠居という言葉を理解しようと思って読んだ本。
  • ★ローズマリ・サトクリフ著 灰島かり訳: 『ケルトの白馬』
    イギリスの山肌に描かれた巨大な白馬の絵。その起源を求めて太古の物語にヒントを得て描かれた本。敵に滅ぼされた部族に生き残ったわずかな人々が新天地に旅立っても、彼らの先祖が馬乗りの名手であったことを地上に永遠に刻み込むために、敵方のために描いた白馬。
  • ★K.M.ベイトン著 山内智恵子訳: 『駆けぬけて、テッサ』
    血統には恵まれてはいるが、視力に問題を抱えたサラブレッド・ピエロとともに、自分の道を懸命に探し続ける少女テッサが苦難を後超えて、グランドナショナルで勝利をつかむ物語。馬の心理描写が素晴らしかった。
  • ★夢枕獏: 『大江戸恐龍伝』
    真友の立原位貫さんが装幀と各巻扉絵を描いています。